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ママを癒し励ますニューアルバム――阿部真央『Babe.』

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シンガーソングライターの阿部真央さんがリリースしたニューアルバム『Babe.』。タイトルにも、彼女自身が出産してから初めてのアルバムであり、作品を産み出すという意味が込められていますが、本当に世の中の全てのママに聴いて欲しい傑作なんです!
母になった成長を彩り豊かな歌に昇華
10代からアーティストとして頭角を現し、等身大の歌詞そのままのキャラクターで愛されてきた阿部真央さん。シンガーとしてもソングライターとしても類稀なる才能を発揮してきた彼女に、転機が訪れたのは2015年のことでした。結婚し、男児を出産したのです。そして2016年に離婚を発表。この怒濤の時期を経て、『Babe.』は完成しました。
今作で彼女は、ある種「等身大」から脱皮を果たしています。包み隠さず、状況や感情を音楽に込めているところに変わりはないのですが、多面的な女性という生き物をまるごと表現するようになったのです。きっと、大人となり、母となり、シングルマザーとなり、様々な局面にぶつかりながら生きているからこそ、こういったタフなスタイルを確立できたのでしょう。多面的であるが故に、一曲一曲の曲調も幅広く、J-POPあり、ハードロックあり、弾き語りあり。さらに、曲によって歌い方も変わっています。そこは、元々のアーティストとしての彼女のポテンシャルの高さが生かされた結果だと思います。

全てのママの琴線を震わせるリアルな歌詞
恋愛や結婚を経験してきた彼女らしい、情けない男性を叩きのめす「逝きそうなヒーローと糠に釘男」や、軽やかに別れを告げる「バイバイ」もスカッとしますが、特にママにおすすめの曲は「母である為に」と「この時を幸せと呼ぼう」。こんな声で息子さんに歌いかけているのかな?と想像させられる優しい声で、母になった素直な思いが歌われています。《ご飯の美味しいところは全部 あなたが先に食べて下さい/身も凍えるような寒い夜には 母のコートを巻いて下さい》(「母である為に」)。《僕が持ってるもの全部 君にあげる/いつも隣で分かち合おう 愛も喜びも》(「この時を幸せと呼ぼう」)。これらの歌詞は、現役の小さな子どものママでなければ生み得ない臨場感に溢れています。
そして、子どもに向き合う日々に疲れた時は、《朝が来て ちゃんとお腹が空くとか/会いたくて 会える人がいるだとか/自分が嫌になった時は思い出すの/いつだって 生かされていること》(「Hello,Brand New Days」)や、《明日、晴れたら言うよ 今日の事/いつもの笑い声で/こらえた涙の理由も全部笑い飛ばしてやるの 私たち》(「女たち」)といった、「一人の女性」としての視点で描かれた歌詞に励まされます。きっと彼女も、歌いながら自身を鼓舞しているはずです。女は、母は強し!と。

母になった喜びを改めて噛み締められる、そしてどんな困難も突破していく力をもらえる今作。筆者は聴くたびに涙が出てしまいます。ぜひ、たくさんのママに届きますように。

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