女性が抱える悩みのひとつである「便秘」。厚生労働省の国民生活基礎調査の概況によれば、便秘で悩んでいる女性は、1000人中40人ほど(25人にひとり程度)。意外と少ないかも?なんて思ってしまいそうですが、「便秘がち」という人を合わせると人数が激増!およそふたりにひとりが、何かしら「便秘」により悩んでいるということに……!
困った便秘。どうすれば、お悩み知らずの健康BODYを手に入れることができるのでしょうか?
便秘には「食物繊維」が効く。これはよく耳にする言葉ですね。これは、イギリス人学生とアフリカ農民の便通と排泄について調べた、バーキット博士の研究が元になっていると言われています。博士の研究によれば、アフリカ人の消化管通過時間は平均36時間。イギリス人の消化管通過時間は73時間もかかったとのこと。つまり、食べてから排泄に至るまでに、約2倍もの時間がかかったというのです。その差がどこにあるのか調べたところ、アフリカ人の食事には食物繊維が豊富に含まれていることがわかりました。そこから、便秘の改善に食物繊維が役立ったのでは?と仮定されたのです。
便秘には大きくわけて「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸便秘」の3つの種類があります。
「弛緩性便秘」は、いわゆる食事量・水分量の低下や運動不足、加齢が招くものです。食べる量を適量に増やし、食物繊維を豊富にし、きちんとした運動を行えば改善されます。とくに女性の場合は、行き過ぎたダイエットにより便秘になる人が多く、問題視されています。運動量・代謝量に見合った量の食事を摂らないと、腸が正しく働かず、便が大腸内に滞ることになります。大腸内に便が溜まってしまうと、悪玉菌が増加し、発がん物質など有害な物質が発生してしまうことも……!
「痙攣性便秘」は、ストレスや、神経的な不調により自律神経が失調し、大腸が過度に痙攣してしまい、便秘を引き起こすもの。この場合はストレスを解消し、自律神経の機能を回復させる以外に、便秘を解消する方法はありません。
「直腸便秘」というのは、時間が無くてトイレに行けず長時間にわたって便意を抑制したり、下剤や浣腸を乱用してしまったりと、腸に負担をかけることによって起こります。直腸反射が弱くなってしまい、直腸に便が溜まっても便意を感じなくなってしまうのです。この直腸便秘を改善するには、生活サイクルを正しく戻し、下剤類の使用を控えるしかありません。ひどい場合は、医師への相談も行うべきです。
いずれの場合も、適量の食事と水分、正しい睡眠、正しい生活サイクルが重要な要素。便秘になってしまったら、食物繊維をガツガツ摂るよりも前に、自身の生活を見直してみましょう。
トイレの環境変化も、便秘人口の増加を招いている!?
ドイツの研究者によると、どうやら「洋式便器」も、便秘を招く要因になっているとのこと。座ったままの姿勢で排便を行う洋式便器は、腸の排泄機能を邪魔してしまい、腸繊維にムダな圧力がかかり、便の排泄が抑制されるというのです。また、繰り返して洋式便器を使用することで、便秘になりやすくなってしまうという研究結果も発表されています。これに対して「和式便器」は、両膝を抱え込むように座るため、肛門付近にある括約筋が活動しやすく、スムーズな排便が行えるといいます。あまりにも便秘がひどい場合は、家のトイレを、思い切って和式便器に交換するのもアリなのです。
また、出来るだけ和式便器の環境に近づけるのも、便秘解消のコツ。洋式便器の足元に、足が上げられるような台(本を積み重ねてもOK)を置き、膝を抱えて大便する格好になるといいそうです。男性の中には、便器の上に乗っかって、和式便器のように用を足す人もいるとのこと。このマネをしてみるのもいいでしょう。
腸をいかに健康に保つかが、健康を維持するカギになります。なるべく早く便秘を改善し、腸美人を目指しましょう!
PHOTO/Fotolia