月に1度の月経により血液を体外に排出する女性は、男性に比べて貧血になりやすいと言われています。貧血気味、程度であれば食事の改善で治すことができます。本格的な貧血になり、入院するほどの症状を引き起こす前に、ミネラル豊富な食事を心がけ、貧血とサヨナラしちゃいましょう!
厚生労働省によると「貧血」というのは、血液中の赤血球やヘモグロビンが、正常よりも少なくなってしまった状態をいう、と定義されています。こうした成分が減ってしまう理由のひとつが、鉄分の欠乏です。
ヘモグロビンは、鉄を含む「ヘム」という色素とたんぱく質が結合することで合成されます。このヘモグロビンがさらに酸素と結合し、血液によって全身に運ばれます。鉄分が少なくなるとヘモグロビンが減り、必然的に、酸素を体内に運搬できなくなってしまうのです。酸素が少なくなると、細胞が活性化できず、運動機能が低下。めまいや立ちくらみを起こしてしまうのです。
鉄分は、食べ物できちんと摂取を!
残念ながら人間は、鉄分を体内で作ることはできません。足りない分は、食事により摂取することが必要になります。通常の生活の中で失われる鉄分は、1日1mg。女性はさらに、月経により0.5mgの鉄分を失うとされています。こうして失われる1.5mgの鉄分を、毎日の食事から補わなければなりません。
ちなみに食品には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」、2種類の鉄分が含まれています。ヘム鉄が多く含まれるのは、レバー、あさり、といった動物性食品で、非ヘム鉄が含まれるのは野菜などの植物性食品です。どちらも同じ鉄分には変わりないのですが、体内での吸収率が大きく違っていて、ヘム鉄が10~20%程度なのに比べ、非ヘム鉄は2~5%と吸収されにくいのです(ほうれん草を例にとると、100g中鉄分の含有量は約2mg。このうち2~5%のみ吸収されるので、ほうれん草だけで必要な鉄分を摂るとなると……なんと、3kg以上のほうれん草(しかも生で)を食べなければなりません)。
ずばり、貧血を改善する&予防するためには、レバーやしじみ、あさり、といった鉄分豊富な動物性の食べ物を多く摂取し、かつ、ヘモグロビンの材料となるたんぱく質、鉄の吸収を高めるビタミンC、赤血球の生成に欠かせないビタミンB12を、きちんと補給できるよう、肉類・穀物類・野菜類をバランス良く摂ることが大切なのです!
貧血がひどくなると、口内炎が起こったり、カンジダ菌に侵されたり、動悸や息切れがひどくなったり……と、怖い症状を併発することもあります。神経伝達物質にも影響が出て、ヘタをすると幻覚症状を起こすことも……。
貧血気味な程度だから大丈夫!と放っておかず、向き合ってみませんか。
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