ヒトがストレスを感じやすい時期が、大きく年に2回、訪れるといわれています。ひとつめは「春」。2月から4月にかけて、季節変化や環境変化、新しい人間関係等による、心理的なストレスが増えるといわれています。ふたつめはなんと「夏」。春のストレスが心にかかるストレスなのに対し、夏場は「体」にストレスがかかることが、様々な研究やデータによりわかってきています。
子どもたちが夏休みに入り、海水浴にプールにとお出掛けが増える夏。
日の出が早くて日の入りが遅く、1日の活動時間が増える夏。
このように、夏場は他の季節と比べてアクティブに身体を動かすことが増え、知らず知らずのうちに身体に負荷をかけてしまいがちですよね。さらに、
・昼間にクーラーの効いた室内と高温の屋外とを出入りすることで、自律神経がやられて体温調整がうまくいかなくなる。
・あっさりしたもの、冷たいものばかりを選んで食べてしまい、内臓機能が低下する。
・夜、暑さで眠れなかったり、汗による不快感を抱えた浅い眠りが続き、不眠が蓄積する。
・入浴せず、シャワーだけで済ませてしまい血流が滞る。
こうした夏特有のマイナス行動を続けてしまうことで、いつの間にか体に負荷が溜まり、倦怠感や不眠、イライラといった「うつ症状」を引き起こしてしまうのです。
しかし、多くの人はこうした「夏ストレス」を「夏バテ」と勘違いしてしまいがち。「あれ?夏バテかな?体力付けなきゃ!」と、より激しく運動をしたり、栄養補給をしようと躍起になってしまうと、体には過剰なストレスがかかるばかり。改善されるどころか負荷が増え続け、最終的には心を病んでしまう……なんてこともあるのです。
対策方法は、たったひとつだけ!
では、「夏ストレス」を改善するためには、何をすればいいのでしょうか?
答えはたったひとつ。
「ゆっくりと休む」
これだけです。
夏だから、子どもがいるから、と連日出掛けたり、深夜まで起きていたりすることなく、ゆっくりと身体を休める日を作るようにしましょう。
これは、ママだけでなくパパや子どもたちも同様です。とくに、仕事をしつつ家事、育児、家族サービスとフル稼働しているパパは「夏ストレス」を抱えやすい状態になっています。たとえば家族で旅行に出掛けるなど、パパに負担をかけることがあった場合は、翌日は1日まるっと休んでもらえる日を作るようにしましょう。
子どもたちにも同様に、心からくつろげる時間を作ってあげることが大切です。リビングに布団を敷いて、家族みんなでゴロゴロしながらテレビやDVDを見るだけの日を作ったり、まったく勉強しなくてOKという日を設けたり、たっぷり朝寝坊してもOKな日を作るようにして、家族みんなの夏ストレスを解消するよう、心がけてみてください。
せっかくの夏!!楽しまなきゃ!!と気負うことも、ストレスの一因になります。暑い夏だからこそ、いつも以上にのんびりと過ごす――これが、夏ストレスを抱えない最善策ですよ。
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