
若年ファミリー層の居住率が増加傾向にある集合住宅。利便性や快適性などメリットがたくさんあるものの、戸建て住宅とは違ったルールがあり、気を使うことも多いです。そんな集合住宅で子育てしていく上で大切なことってなんでしょうか?今回は、ありとあらゆる住宅事情を知り尽くす大手不動産会社の営業の木下さんに、集合住宅で子育てするポイントについて聞いてみました。
集合住宅では、同年齢の子どもをもつ家庭との繋がりができやすいと木下さん。
「敷地内に公園があるなど、共用施設が充実しているところでは、どんどん顔を出して、お知り合いを作っておくと、住宅内の情報交換や、学校情報を知る機会が増えますよ」と、子育て世代には嬉しいメリットを教えてもらいました。ぜひこのネットワークは大切にしておきたいですよね。
一方で子育てする上でネックな部分も
集合住宅ならではの悩みといえば、上下階や両隣の部屋と密接しているため、生活音の配慮をする必要があることです。その中でも、子どもの足音や泣き声などの音に関する問題は深刻なのだそう。
「分譲マンションでは、簡単に引っ越しをすることもできない為、騒音問題は難しいんです。管理会社や組合へクレームをしたところで、双方の話し合いでしか対処ができない事が多く、すっきり解決しにくいのが現状です」と木下さん。
子どもが、ある程度の年齢になれば「おうちの中では走らないでね」と言い聞かせることができますが、赤ちゃんや幼児に「泣くな」「騒ぐな」と言うのは困難です。
木下さんは「普段から住民への挨拶や、言葉かけなどはとても大切だと思います。自治会や理事会もできるだけ参加することで、多くの住民に子育て中であることを理解してもらうことや、積極的にコミュニケーションをとることで、周りの対応も変わってくるでしょう」とアドバイス。
多少声が聞こえてきても「あの子かな?」と、顔がわかっている分、受け取る側も柔軟に受け止められるようになることもあるそうです。
高層階ならではの事故対策は万全に
高層マンションなど、高い階に住むご家庭では特に、マンションならではの事故から子どもを守る対策を考えておく必要があります。
「バルコニーから身を乗り出し、転落する事故が時折ニュースになっています。大人が目を離した隙に…ということも充分考えられるので、小さなうちから『窓や玄関扉を勝手に開けない』『踊り場階段などを遊び場に使わない』とお約束ごとにしておくといいのではないでしょうか」と事故防止対策について教えてもらいました。
集合住宅で子育てすることは、ルールや、周りへの配慮を怠らないようにする必要がありますが、一方で子どもにとっても、早くから社会的な秩序が学べる場ではないでしょうか。集合住宅のメリットを活かしながら、充実した子育てができるようにしたいですね!
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