
突然やってくるお葬式の知らせ。知らせを聞けば参列するのが一般的ですが、小さな子どもがいる場合は参列した方が良いのか悩みますよね。しかし、故人が親族など間柄が身近な人であればあるほど、最後のお別れには子どもも一緒に立ち会わせてあげたいと思うのも自然なこと。今回は、子連れでお葬式に参列するときに気を付けたいことを、筆者の経験をもとに紹介したいと思います。
ある日突然、筆者の2才の娘が通う保育園の先生の訃報の知らせがあり、葬儀の案内を頂きました。
しかし、小さな子どもを連れて葬儀へ出ることは大きな心配が。グズってしまったら、その場で騒いだらと思うと、遺族の方や参列者に大きな迷惑がかかってしまうことが懸念され、筆者は参列することを躊躇しました。
遺族の方から「お子さんもお別れしてほしい」と言ってもらってはいたのですが、人が沢山いることだけでも騒いでしまうのが子どもの性…。参列させるならば、ある程度お葬式とは一体どういうもので、周りの人がどんな気持ちでいるのかを話しておく必要があります。
小さな子どもは、実体験をした話でないとなかなか理解がしづらいもの。筆者の娘にとっては「死」というものが、まだ身近に感じたことのない感覚だったようで「なんでいなくなるの?」と、説明しても充分に理解が出来ていない様子でした。
それでもお葬式の場にはたくさんの人がいて、騒ぐべき場所ではないことを事前に話をしておくと、その場での子どもの理解も早く、娘には必要なことでした。
子どもの喪服はどうしたら?
子連れの参列にあたって悩むのが、子どもの服装。幼稚園などで制服がある場合は、制服を着ますが、小さな子どもはフォーマルな洋服を持っていない場合がほとんどです。
その為、子どもには普段着の中から、襟付きの無地で暗めの色を着せてあげるのが一般的。デニム生地やジャージ素材のものは避けたほうがベターです。黒が無い場合でも、柄がないものであればネイビーやグレーでも良いとされています。また乳児の赤ちゃんをどうしても連れて行かなければいけない場合、ベビーウェアはグレーや水色など落ち着いた色味が好ましいようです。
我が家はブラックのワンピースを持っていたので、それを着せ、暗い色の靴を履かせました。
親が配慮して迷惑にならないように心がける
斎場では、黒い服を着た大人たち、スピーカーから流れるお坊さんの読経の声など、いつもと違う雰囲気を娘も感じ取っていた様子。それが少し不安だったのか、娘は「抱っこ」といって筆者にくっついて離れようとしませんでした。
子どもと参列するには、騒ぐ心配だけではなく、泣いたり不安で甘えたりして、遺族や他の参列者へ迷惑がかからないように細心の注意を払わなければなりません。筆者は、子どもがグズった際すぐに外に出られるように、斎場の入り口付近に立って参列し、子どもの顔を見て騒ぎそうだなと思ったら、外へ出て待つことにしていました。
できれば葬儀が終わるまで場内にいる方が望ましいですが、子どもをフォローするのも親の役目。悲しみに暮れる方々へ余計な気を遣わせないように、親が率先して配慮することが大切です。
お葬式は突然訪れること。準備をしておくものではないので、慌ててしまいますよね。子ども連れは大変な部分もありますが、子どもにとっても生きていく上で大切な経験になるはず。お葬式も多様化しいろんなシーンがあるので、連れていかないという選択肢もありますが、親が配慮することで周りに迷惑をかけない工夫もできるのではと思います。
PHOTO/Fotolia