食欲の秋、到来!子どもにも、「食べること」「食べもの」に興味を持ってもらいたい季節です。そこで、ただ食べものが描かれているだけではなく、「おいしそう、かわいい、おもしろい!」の三拍子がそろった絵本を3冊セレクトしてみました。
1976年に出版されたベストセラー。「ねないこ だれだ」などでもチャーミングなおばけを描いている、せなけいこさんの名作です。今見ても、温かみのある貼り絵も、ウィットに富んだ物語も、とってもキュートで面白いので、親子で楽しむことができるはず。めがねをかけたうさぎがてんぷらを揚げていると、おいしそうな匂いにつられておばけがやってきて……思いもよらない展開になっていきます。
我が家で、この絵本から派生したのが「てんぷら遊び」。うさぎが野菜に衣をつけててんぷらにし、揚げたてをパクリ!とする場面が出てくるのですが、子どもを布団にゴロゴロさせて衣をつけ、抱っこして鍋に入れるマネをし、最後はパクリ!と言わんばかりにコチョコチョ~!そんなことをしているうちに、本当に揚げたてのてんぷらが食べたくなってしまう1冊です。
「チェリーひめのかくれんぼ」作・絵 かとうようこ
さくらんぼ王国のチェリーひめがお城を抜け出し、お世話係のビスケッツに追いかけられながら、あちこちでかくれんぼをする冒険ストーリー。絵や物語を楽しめるだけではなく、様々なスウィーツの中にかくれたチェリーひめを見付ける、絵探しの本にもなっています。特に、「おひめさま」をはじめとした、かわいいものに興味が出てくるお年頃の女の子にぴったりの1冊です。
また、この絵本に出てくるスウィーツは、色鮮やかで本当においしそう!パフェ、パンケーキ、クレープ、さらにスウィーツではありませんがお寿司まで。絵本を見ながらつまみ食いをするマネをしていると、寝かしつけ中でもお腹が空いてきます。
「おすしのずかん」作 大森裕子 監修 藤原昌高(ぼうずコンニャク)
ぺんぎんたちがお魚を捕まえ、さばき、握り、動物たちにお寿司を出すところまでやってしまう「ぺんぎんずし」。この絵本は、その「ぺんぎんずし」を舞台に、お寿司が「あかいおすし」「しろいおすし」「ひかるおすし」「ながいおすし」などに分類され、お寿司の状態と魚の状態で描かれている、まさしく「図鑑」です。魚には、簡単な説明(かつおなら「かつおぶしにもつかわれる」など)も書かれています。そして、読み進めて行くと、「そのほかのおすし」で「はんばーぐ(ぶた)」のお寿司が紹介され、ぶたが海で泳いでいたり、「のりでまいたおすし」で、ぺんぎんが巻き寿司になっていたりと、面白おかしい展開も!
コンパクトなサイズ感ながら、図鑑としてとても優秀。そして、お寿司の描写がとても繊細なので、お腹が空いてしまうこと間違いなしです。子どもと「どれ食べる?」なんて言い合いながら、回転寿司気分でつまむマネをしても楽しいですよ。
いかがでしたか?「食べること」は身近なエンタテインメント。絵本を通して、その大切さ、楽しさが伝えられるといいですよね!