毎年、インフルエンザというと、秋から徐々に患者が増えて1~2月の寒い時期に流行のピークを迎えるイメージ。筆者の家族は去年の12月のクリスマス頃にパパ→息子と罹りました。ところが今年は、早くも9月に患者の発生が確認され、9月15日の厚生労働省の発表によると、9月4日から10日までの1週間で小中高校や幼稚園、保育所から報告されたインフルエンザ患者は137人に上ったそうです。これは昨年の同じ時期に比べて5.7倍という結果。昨年、東京都がインフルエンザ流行を発表したのは11月24日で、記録が残っている1999年以降で最も早い「流行宣言」だったそうですが、今年は軽々と昨年を上回る早いペースで患者数が報告されていて、流行のスタート時期がかなり前倒しになる可能性も。そこで、インフルエンザ対策について、総合内科専門医の大竹真一郎先生(おおたけ消化器内科クリニック院長)に伺いました。
大竹先生は「インフルエンザウイルスのワクチン接種は、すべきものと考えています。ワクチン接種は100%の効果を保証するわけではありませんが、リスクの軽減や、周囲の方への感染を防ぐ意味では大きな意味があります」と教えてくれました。マスクについては、「マスクの予防効果はさほど期待できません。インフルエンザウイルスは非常に小さく、マスクの繊維の目を簡単にくぐり抜けるためです。強いて言えば、マスクをすることで、感染した人のくしゃみで飛んでくる分に関しては防ぐ事はできます。目からも感染する点を考えると、マスクだけでの予防は不完全」。それでもマスク着用が有効なのは、予防の観点ではなく、罹った人がまわりにうつさないという点。罹病した人がマスクをした場合、くしゃみや咳の唾液や鼻水に含まれたウイルスはブロックできるからだそうです。
3大インフルエンザ対策は「手洗い」「睡眠」「運動」
意外にもうがいも予防効果は弱めだそうです。大竹先生によると「うがいは口やのどの粘膜に付着した細菌やウイルスを洗い流す役割がありますが、極めて短時間に細胞内に侵入するインフルエンザウイルスを予防する効果は期待できません」。一方、手洗いは予防効果が高いそうです。「ただし、手を洗って清潔にする前に、顔に触れないようにすることが重要。感染した人が、くしゃみや咳でまき散らしたウイルスが手に着き、鼻や目、口などを無意識のうちに触れることで感染してしまいます。睡眠や運動もインフルエンザ感染リスクを低くできることがわかっています」。
「舞茸」で抵抗力の強い体をつくろう!
大竹先生によると「インフルエンザの治療効果を高める期待のある食材として、舞茸があります。富山大学と雪国まいたけの共同データによると、マウスを使った実験では、『マイタケα-グルカン』という成分が、治療薬タミフルに抵抗するインフルエンザウイルスを抑える効果が確認されています。また、舞茸は食物繊維も多く、便秘改善に効果的。便秘が改善されれば、腸内環境が整い、体の抵抗力UPの可能性が大いにあります」。きのこはまさに今が旬。鍋に入れたり、ソテーしたり、いろいろな料理に取り入れて腸内環境を整えて、抵抗力の強い体をつくりましょう!
ママがダウンしてしまうと、家が回らなくなりますよね。もちろん、家族全員がインフルエンザに罹らないためにも、日頃から抵抗力の強い体づくりを心がけたいですね。
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