
お風呂で手軽に髪を染められると話題の「カラートリートメント」。最近はドラッグストアなどでいろんな種類が販売されています。一見、トリートメントならダメージレスで塗るだけなので簡単ですし、サロンで染めるよりコストも安く、ママにはぴったりなアイテムに思えますが…正しい使い方をしないと大変なことに。今回は元美容師の筆者が、使用する際の注意点などをご紹介します。
髪を染めるための薬品はいろいろありますが、カラー剤は大きく分けると2種類に分けられます。それは「永久染毛剤」と「半永久染毛剤」です。
一般的にヘアカラーと呼ばれるものは、「永久染毛剤」に属します。髪の内部に浸透し、髪の色素であるメラニンを脱色しながら、染毛していくものです。元来の髪色を脱色し、明るくすることで、希望の色や明るさが実現しますが、メラニンを脱色しているので、一度染めた髪が永久的にバージンヘアの色に戻ることはありません。
もうひとつは「半永久染毛剤」と呼ばれるもの。髪の表層部に浸透することで発色し、ヘアマニキュアが一般的です。今回のカラートリートメントはこちらの部類に属します。つまり、永久染毛剤のように、脱色する効果はないため、黒髪を鮮やかな色に発色させたり、明るくすることはできません。
カラートリートメントは、バージンヘア(初めて染める人)にはあまり変化を実感することができません。また白髪染めとしては、染料の力が足りないものが多く不向きといえます。ヘアカラーやブリーチを経験し、髪をある程度脱色した人のほうが効果を感じられるアイテムなのです。
正しい使い方と注意点とは
「トリートメント」という名の通り、カラートリートメントは化粧品の部類に入り、皮膚への刺激や髪へのダメージに配慮されています。そのため、ヘアカラー後の色落ちを防止するには、刺激が少なく良いアイテムといえるでしょう。
使い方も、普通のトリートメントと変わりません。シャンプーの後に髪に塗布して一定時間放置しすすぐだけなのですが、1回の塗布ではあまり変化は感じられず、数日使い続けることで次第に髪の表層部に浸透し、色づきを実感できるようになります。また使用を中止すると少しずつ元の髪色に戻ります。
注意したい点は、ヘアカラー剤との併用と使用順です。ヘアカラー剤は髪の深層部まで浸透しますが、先にカラートリートメントで髪の表層部を染めてしまっていると、ヘアカラー剤がうまく反応しなかったり、ムラになったりすることがあります。
髪が伸びてリタッチが気になるようになったら、しばらくカラートリートメントを中止し、表層部の染料が落ちるまでヘアカラーは我慢したほうがいいでしょう。また、サロンでもカラートリートメントを使ったことがあることを伝えておくと、ヘアカラーの際にキレイに染まるように対策をしてくれるはずです。
筆者もブリーチした髪に数種類試したことがありますが、しっかりした発色は望めず、ヘアカラーやマニキュアの代わりとしては劣るといわざるを得ません。しかし、刺激が少なく数日かけて徐々に染まるという性質は、現状維持のカラーケアとしては適していると思います。メリットとデメリットをしっかり理解して使うと良いアイテムだと思いますので、使用する際は気を付けてお使いくださいね!
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