
「コンビニで売られているおにぎりは食品添加物の塊!」「病気の原因は食品添加物!」と、なにかと危険視される食品添加物。でも、本当に食品添加物は、身体に悪いものばかりなのでしょうか。そもそも食品添加物とは何なのか、一緒に勉強してみましょう。
厚生労働省のガイドラインによれば、「保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるもの」はすべて、食品添加物であるとされています。たとえ天然の素材であっても、添加して使用するものとして国に指定されているものであれば、すべて食品添加物になります。
ですから、すべての添加物を「身体に悪いからダメ!」と切り捨てるのはナンセンス。食品の栄養価を保持したり、賞味期限を延ばしたり、品質を安定させるために添加される場合が多く、それらを全て「NO!」にしてしまうと、自給自足をする以外に方法がなくなってしまうのです。
NGな添加物ってあるの?
もちろん、身体に悪影響を及ぼすとされる添加物も、世の中には少なからず存在します。例えば、ウインナーやベーコン、サラミ、チーズ、イクラ、たらこ、パック野菜等の発色用・発酵調整用に使われる、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムといった硝酸塩は、体内で還元されて亜硝酸塩に変化すると発がん性物質に変わり、記憶障害、頭痛、うつ症状などを引き起こす可能性があると指摘されています。合成甘味料として使われるアスパルテームやアセスルファムKも、発がん性、内臓異常、うつ症状などが起こると懸念されています。しかし、専門家による研究の結果、こうした物質と発がん等のリスクとの関係性はまったく証明されていません。
また、ペットボトルのお茶に使用されている合成ビタミンCについても発がん性を訴える人がいますが、成人が1日6g(500mlのペットボトルで1日60本程度)を数か月間にわたって摂取してようやく、頭痛等がみられる程度だったりもします。化学的に合成されたものとはいえ、摂りすぎにさえ注意すれば問題ありませんので、保存食はクレバーに使うようにしましょう。
化学物質には、人の安全を守る働きもあるんです
日本で食品添加物が嫌われるようになった背景には、「味の素が石油から作られている」といった根も葉もないデマや、高度経済成長期の公害問題があると、有識者は述べています。しかし、食品の保存状態が良くなったことで食中毒で死亡する人数は1970年代を境に著しく減少していますし、平均寿命がぐんぐん延びていることから見ても、食品添加物が全て「悪」ではないことは自明の理なのです。
オーガニックや無添加にこだわることは、決して悪いことではありません。でも、食品添加物の利点を知らずに「添加物が入ってるからダメ!」とばかりに責め立ててしまうのもいただけません。保存がきくということは、それなりの恩恵もあるということ。原材料、産出国などをしっかり見て、納得のいくものを食べるように心がけましょう。
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