
最近は、赤ちゃんの頃から楽しめる絵本が増えてきたように思います。ところが、小学生になる頃には書籍やマンガに移行していく現実も。もちろんそれも良いのですが、絵本独特の世界観や面白さに長く触れていてほしいという親心はないでしょうか。今回は、子どもが成長しても楽しめる絵本を3冊ご紹介したいと思います。
手描き感あふれるイラストが、CG時代を生きる子どもたちの心を却ってつかむのか、特に男の子が大好きになる絵本です。息子が幼稚園の頃に爆発的に流行り、シリーズで買いそろえたのですが、今でも息子やその友だちに高い支持を得ています。成長したからこそ楽しめる小さなしかけや隠し絵、クイズが見開きの画面いっぱいに散りばめられ、巻末には分かりやすく答えも記載されているので、子どもだけで十分楽しめます。シリーズを通して1冊ごとに“歴史”や“宇宙”などのテーマがしっかり設けられているため、とても学びが多いという点でもおすすめです。
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時の迷路 恐竜時代から江戸時代まで [ 香川元太郎 ] - 楽天ブックス
“自分だったら~”という想像力を掻き立てる『おおきな きが ほしい』
主人公のかおる君は大きな木が欲しいと願っています。子どもが小さな頃は、かおる君が考える「もし大きな木があったらこうしたいああしたい」という、まるで読み手と共に木を登っていくかのような物語の展開に大興奮! 成長してからは、村上勉さんらしいディテールにこだわった絵がとにかく面白いようで「自分だったら木の上にこんな家を建てたい」など想像力を掻き立ててくれるようです。息子の友だちの中には、ラストで登場する“まてばしい”という木について調べる子もいました。1冊の絵本の中で、自然の美しさや強さ、季節のうつろいを感じられる点も魅力です。
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一見単調な物語が実は奥深い『つみきのいえ』
やわらかなタッチのイラストと色彩で展開していく物語は、一見単調なように思えますが、赤ちゃんでも飽きずに眺められる絵本です。筆者は絵本編集の仕事をしていますが、特に構図の“寄りと引きのバランス”がよく考えられていることにいつも感心するほどです。子どもが成長してからは、絵だけではなく、家の数だけ積み上げられたおじいさんの人生について語られる文章に惹きつけられます。多くの気づきを与えてくれる大人にもおすすめの1冊です。
![つみきのいえ [ 加藤久仁生 ] - 楽天ブックス](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1310/9784592761310.jpg?_ex=128x128)
つみきのいえ [ 加藤久仁生 ] - 楽天ブックス
12才になる息子の本棚には、今でも小さな頃から親しんできた絵本が何冊か並んでいます。絵本とともに過ごした思い出も一緒に大切にしていきたいものですね。
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