夏です。おばけの季節が到来です! 子どもの絵本には、チャーミングなおばけがたくさん登場します。その中でも、特におすすめの3冊をご紹介しましょう。
おじいさんとおばあさん、ねこのマツが住んでいる古い屋敷。昼間はほのぼのとした雰囲気ですが、真夜中になると一転! あちらこちらから妖怪や鬼が出てきて愉快に遊びまわる、ばけもの屋敷になってしまうのです。ばけものたちが出てくる時の、「ば、びょーん!」「じゃ、びーん!」などといった効果音の躍動感も魅力的。また、ばけものながら、愛らしさあり、「家の守り神」のような頼もしさもあり。忍び込んできたどろぼうたちとのひと悶着も、痛快に描かれています。
ちなみに、おじいさんとおばあさんは眠っていて、ばけもの屋敷であることに気がついていない様子ですが、ねこのマツはばけものたちと遊んでいます。昼は昼で、夜は夜で楽しんでいるマツが、よりキーパーソン(キーキャット?)となる「でる でる でるぞ ガマでるぞ」もおすすめです。
おばけのどろんどろんとぴかぴかおばけ(作・絵/わかやまけん)
「こぐまちゃん」シリーズで名高い、わかやまけんさんが手掛けたおばけ絵本。お話も絵も、とっても可愛らしいので、赤ちゃんから楽しめると思います。
おばけなのに、怖がりで気が優しいどろんどろん。たくさんの蛍たちと出会って仲良くなり、蛍たちをピンチから救います。
はかない命の蛍の美しさ、おばけ=怖いわけではないということ、小さくて弱いものたちでも、力を合わせれば強くなれるということ……実は、たくさんの学びも詰まっている一冊です。
ぼく、ようかいにあっちゃった(作/白土あつこ)
こちらは、おばけや妖怪に興味が出てきた幼児期の子どもにおすすめ。妖怪好きの幼稚園児のこうたくんが、「ようかいようちえん」に迷い込んでしまうお話です。妖怪にも幼稚園があるんだ!?なんて、グッと身近に感じてしまいそう。でも、妖怪たちの描写が結構リアルだったり、お弁当の中身などをよく見てみると、その妖怪ならではのメニューだったりするんですけどね。
また、人間であることがバレた時、妖怪の子どもたちから警戒されてしまうのですが、こうたくんが妖怪好きであることをわかってもらえてからは、グッと距離が縮まるという展開も、読んでいる子どもに響くはず。「多種多様な友達との心の通わせ方」を教えてくれます。
想像力の中で生きている子どもたちが、おばけや妖怪のような「目に見えないもの」からもらえるものは、きっとたくさんあるはず。ぜひ、ママやパパも、子どもと一緒におばけの世界に足を踏み入れてみてくださいね。