
恋や愛、家族や子どもへの想いなど女性を軸に作られた映画はたくさんあります。その中でも「女性の生き方」を描いた作品は、同性として心震えるものがないでしょうか。映画を観た後に感じる思いが共感なのか脱帽なのか!? 今回は筆者がおすすめする作品を3つご紹介したいと思います。
地震大国に住むからこそ迫る想い 「唐山大地震」
1976年に中国・唐山市で起きた大地震をきっかけに人生が変わる女性たちを描いた作品。主人公の女性は大地震で夫を亡くし、さらに息子か娘のどちらかしか助けられないという状況を迎えます。究極の選択を迫られるなか、ほぼ放心状態で息子を選んだ女性。その後、彼女は「娘を助けられなかった」という思いを、奇跡的に一命をとりとめた娘は「自分は母に選んでもらえなかった」という思いを抱えて人生を歩んでいきます。奇しくもこの映画は東日本大震災が起こった2011年3月11日に試写会が行なわれる予定でした。筆者もチケットを持っていただけに、地震から数年後、身につまされる思いで鑑賞し「我が子を想う母の強さ」に感銘を受けた作品です。
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憎まれ口の中にある愛情深さ 「パーマネント野ばら」
四国の海辺町で暮らす人々の物語。決して品が良いという土地柄ではないものの皆、大らかに欲望のままに暮らしています。中でも町で唯一の美容室「パーマネント野ばら」に集まる女性たちのたくましさには舌を巻く面白さが。それぞれにろくでなしの亭主を抱え、老いも若きも底抜けに明るく言いたい放題。その一方で、亡くなった恋人を忘れられず妄想の中で生きる主人公には「あなたが狂っているならこの町の女はみんな狂っているよ」と優しく寄り添います。原作者である西原理恵子ならではの“女性の愛情深さ”が感じられる作品です。
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年齢を重ねたからこそ見える人生 「キルトに綴る愛」
孫娘の婚約を機にパッチワークキルトの作品を作ることにした女性たちの物語。浮気性のご主人と何十年も暮らす女性、一度の過ちから関係を戻せず喧嘩ばかりの姉妹など老後を迎えた女性たちがそれぞれの人生を紐解きながら、思いをキルトに縫い込んでいきます。中でも結婚後、主婦としての現実を知り、夢を見なくなったことで夫に出て行かれてしまった女性のエピソードは切なさを感じますが、年齢を重ねたからこそたどり着けた彼女の“気づき”は、子育てに追われ、現実と向き合いつづけているママたちの心をきっと救い上げてくれる素晴らしい作品です。
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ママ世代は、自分の生き方を模索することが多いように思います。映画の女性たちを見て、自分の向かうべき方向に気づくこともあるかもしれませんね。
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