ようやく夏の終わりが見えてきた今日この頃。みなさん、今年の夏に花火を見ることはできましたか? 今回は、子どもと一緒に楽しめる、花火の絵本を3冊セレクトしました。見られた人は、その思い出を噛み締めながら、見られなかった人は、来年を思い描きながら、読んでみてくださいね!
「どどどーん ぱっ!」(作/とよたかずひこ)
赤ちゃんから楽しめる絵本をたくさん生み出しているとよたかずひこさんが手がけた今作。擬音語たっぷりで親しみやすく「初めての花火絵本」としてもぴったりです。
あついくにから、くじらにのってこおりのくににやってきたらいおんさん。待っていたお友達と、そり遊びをして、かまくらを作って、みんなでお泊りしながら、らいおんさんのおみやげである花火を眺めます。
「どどどーん ぱっ!」という、気持ちいい音に合わせて、打ちあがる花火の美しさ。それを、みんなで楽しむスペシャル感。夏のワクワクが伝わってきます。ママとしては、「この酷暑、こおりのくにで遊べるなんてうらやましい……」とも、思ってしまうかもしれませんね。
「はなびドーン」(作/カズコ・G・ストーン)
こちらも、赤ちゃんから楽しめる花火絵本。「パンッ」「ドーン」「キラキラキラ」「シューッ」といった擬音語がメインで構成されており、シンプルながら、臨場感を味わうことができます。
大人が見てもため息が出るほど繊細で美しい絵も、特筆すべきところ。黄色、赤、緑……鮮やかな花火が、濃紺の夜空に弾けます。星のように、花のように、そして最後はかわいらしい様々な形になっていく花火。子どもが「本物の花火を見てみたい!」と思えるような一冊です。
「はなびのひ」(作/たしろちさと)
舞台は動物たちが暮らす江戸の街。たぬきのぽんきちは、花火大会の準備に出かけた花火職人のおとうちゃんに握り飯を届けてほしいと、おかあちゃんから頼まれます。すると、ぽんきちがでかける様子を見た街のみんなが、「もうはなびのじかんかい?」と早とちり。みんな仕事やら何やらほったらかして、ぽんきちの後からついてきて、おとうちゃんのところにつく頃には大行列に! おとうちゃんはびっくりして、早めに花火を打ちあげだします。
大きく鮮やかな花火はもちろん、細やかに描かれた江戸の街、花火を楽しみにする動物たちの表情など、隅々まで見ごたえがある一冊。物語の結末も、ほっこりさせられます。
日本人にとって、花火は特別な娯楽。その醍醐味を親子で味わえる3冊です。